薬膳の書

* * * 第二十三弾 * * 「モロヘイヤ」 * * *

クレオパトラも好んで食べたという“モロヘイヤ” 健康食品として大人気!

エジプトを中心とする中近東地域で栽培され、高温で乾燥地帯でも育つ生命力の強い野菜。クレオパトラも好んで食べたといわれており、エジプト生まれの「モロヘイヤ」は、アラビア語で、「王様の食べる野菜」という意味。だが、王様だけに食べられていたのではなく、古来、エジプトで日常的に食べられていた庶民の味なのです。
日本には、1980年代にはいってから栽培されはじめたが、最近、健康志向が高まる中、栄養価も高く、注目の野菜。  成長は早く、半年で2m ほどになる。青ジソに似た葉をおしていて、その葉や若い茎だけを摘んで食用にする。高温多湿の日本でもよく育つ。−シナノキ科−


−栄養・効能− 青菜の中でもずばぬけた栄養価。
食物繊維
腸の機能を活発に刺激するので、便秘予防や改善に、また、血中の糖分や中性脂肪も抑制され、肥満の予防に効果的。
カロチン
ニンジンの約1.5倍、ほうれん草の約3.5倍もの量を含む。カロチンは、体内に入るとビタミンAに変化する。皮膚や粘膜の健康を保つのに必要なビタミン。
また最近では、ガンの予防や老化を防ぐことが明らかにされている。

ビタミンB1
炭水化物をエネルギーに変える時に必要なビタミン。白米が主食の日本人には必要な栄養素なのに、日常生活においてほとんどの人が不足がち。不足が原因でおこるのは、疲労感や食欲減退、手足のむくみなど。
ビタミンB2
脂肪をエネルギーに変える時に必要なビタミン。脂肪の代謝を活発にし、コレステロールの低下、血液の凝固作用を正常に保つ働きをする。
ビタミンC
シミ、ソバカスを防ぎ、皮膚を活性化させる。
ビタミンCは、体内でどんどん消費するので、一定量の摂取が必要。

カリウム、カルシウム、鉄などのミネラルも豊富
カリウムは、高血圧の予防に効果があり、不足すると体がだるくなる。
カルシウムは、骨、歯を丈夫に保つ他、新しい細胞をつくるのにも必要不可欠。
鉄は、血をつくるのに欠かせない栄養素。貧血防止に。


見分け方 保存方法
葉の長さが5〜6cmくらいのものがよい。
濃緑色で葉先が変色していないもの。
茎が手で折れるものは柔らかく新鮮。
切り口が茶色に変化したものは、鮮度が悪く扱いにくい上、ゆでても葉が硬い。

生葉のまま保存する場合は、葉だけを摘み冷水に浸し、水気を切り、密閉容器に入れ、冷蔵庫の野菜室へ。冷凍保存も可能。
ゆでる場合は、サッとゆで、水気を硬く絞り、ラップに包んで冷凍。
細かく刻んでおくと、便利。


−調理のコツ−
生のまま揚げ物や炒め物にする時は、5〜6cmに、ゆでて和え物にする時は、3〜4cmに切るとよい。ゆでると粘り気がでるので、納豆などと和えてもおいしい。
納豆に入れる時や、スープなどに入れるときは、包丁でたたくように、細かく刻む。
ほうれん草と同じ「シュウ酸」を含んでいるので、アク抜きをする必要がある。
「シュウ酸」は、とりすぎると腎臓結石をおこす。
茹でてから、水にさらすとよい。
茹でたり、炒めるとビタミンCは流出してしまうので、手早くするのがコツ。
モロヘイヤは、日常食べている青菜と同じように調理できる。
炒め物、揚げ物、スープやみそ汁の具、納豆や山芋などと和えるなど。

−どうして王様の野菜?−
その昔、王様が重い病気にかかり、どんな薬を飲んでもな治らなかったのに、「モロヘイヤ」入りスープを飲んだら、たちまち、回復した。という話が伝えられて、以後、病気の特効薬となったとか。そこで、「モロヘイヤ(アラビア語)」と命名されたらしい。
が、栄養価非常に高いので、なるほど納得の命名なのではないだろうか。。。

−いろいろあるよ!モロヘイヤ食品−
ヘルシー食品と注目され、様々な食品が出回るように。
モロヘイヤをパウダーにし、そば、うどんなどの麺類やパンなど。
その他にも、即席スープ、お茶、ふりかけや、せんべい、クッキーなどのお菓子類にも。
粉末のモロヘイヤも市販されており、いろいろと活用できる。
天ぷらやフライの衣に混ぜたり、赤ちゃんの離乳食にも活用できます。
最近では、家庭菜園用の種も市販されているので、直まき、または、プランターでも栽培可能。

 栄養価も高く、和風にも合う食材なので、普段の料理に多いに活用したい食材ですね。


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