薬膳の書

* * * 第二十二弾 * * 「生姜(しょうが)」 * * *


「根しょうが」

「新しょうが」

「葉しょうが」

 熱帯アジア原産で、日本には、稲作とともに中国から伝えられたといわれており、歴史も古く、薬用・食用に用いられてきました。和・洋・中・エスニックと利用も幅広く、中国では、にんにくとともに欠かせないスパイスで、インドでは、カレーのスパイスにも。
甘・辛どちらの料理にも合い、欧米ではクッキーやケーキにも利用される。アジア諸国では、生を使うことが多いが、欧米では、パウダーを使うことの方が多い。
日本では、生、甘酢漬け、ドライ(スライス・パウダー)、チューブ入すりおろしなど。
一年中出回っているが、旬は7月〜9月。                 −ショウガ科−

−種類− 根しょうが、軟化しょうが、葉しょうがの3つに大別
根しょうが 新しょうがは、収穫したばかりの根茎ですぐに出荷する根しょうが。そのまま食べたり、甘酢漬けにして食べる。
新しょうがの種になるしょうがや、貯蔵して翌年出回る根しょうがを「老成(ひね)しょうが」「古しょうが」といい、辛味が強く、魚の生臭さをとるのに適している。
軟化しょうが 筆しょうがとも呼ばれており、太陽光線をさえぎり、新芽を30cmほど伸ばして柔らかくしたもの刺身のツマや漬物に利用する。
葉しょうが 新しょうがが小指大くらいになった時に葉をつけたまま出荷される。甘酢漬けに利用する。
「谷中しょうが」「ツバメしょうが」などがある。

−薬効−
しょうがの辛みは、ジンゲロンとショーガオール。食欲増進や殺菌作用がある。
ショーガオールは、酸化防止の働きがあり、中華料理に油にしょうがを入れるのは、香りをだすとともに、油の酸化を防ぐ役割もある。また、クッキーなどのお菓子類にも同様の酸化防止の効果がある。そして、魚やレバーなどの臭い消し作用もある。ジンゲロンには食品に対する抗菌作用があり、魚などによる食中毒を予防する。
香り成分は、食欲増進、発汗、去痰、消炎、保温作用などがあり、風邪の初期症状、リウマチ、神経痛、冷え性などによい。
 漢方では、「しょうがは百邪を防御する」と古書にあるほど、古くから生薬として利用。
健胃、嘔吐、せき、むかつきに効果があり、乾生姜は、新陳代謝を促し、体を温め、冷え性、せき、腰痛、腹痛などに効果がある。新しょうがの乾燥葉を薬湯として用いると神経痛に効果がある。

−保存方法− −おろすコツ− −しょうが1片−
3〜4日は常温で保存が可能。洗ったものは、水気をふき、ラップに包んで冷蔵庫へ。1回分ごと切ってパックに入れると1ヶ月保存可能。 おろす時は、1片の面積の広い部分をおろし金にあて、せまい範囲で斜めにすりおろす。 レシピでよくでてくるしょうが1片は、親指大ほどのかけらが目安。

おすしにガリ(甘酢漬け)は、抗菌性、そうめんや冷奴に薬味として利用するのは、体を温める作用、のどの痛み、風邪に生姜湯を飲むのは、発汗作用や去痰作用を利用。
砂糖漬けとシロップ煮を利用したジンジャーエールという清涼飲料水、フランスでは、根しょうがのジャムを料理に利用、ヨーロッパでペストが流行した時は、ペストの特効薬にもなったという、 日本のみならず各国で日常食用・薬用に利用されいる身近な食材。

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