薬膳の書

* * * 第三十三弾 * * 「蓬(よもぎ)」 * * *

草餅、草だんごに使われる身近な食材。お灸とも密接に関係してるんですよ。

 日本各地の山野や道端に自生する大変強い野草。春に根茎から芽を出し葉を伸ばす。葉は、キクの葉の形に似ていて、裏面に灰白色の綿毛が密生している。食用とするのは、春先の若い芽や、やわらかい葉などで、独特の香りがあり、その香りは、昔から草餅や草だんごの原料としても用いられており、別名を「モチグサ」とも呼ばれている。
中国では毒気、邪気を払う力があり、ヨモギを食べると、寿命が延びるといわれていた。秋に枝先に黄褐色の小さな花が多数咲く。
                    −キク科−

−薬効・効能−
漢方では、ほとんどの病気に利用されるほど、薬効の多い野草。
ミネラル・ビタミンが豊富で、整腸作用が大きく、便秘にもよい。臓器の機能を正常に保ち、公害物質や老廃物がたまらないよう体外に排出し、血液を浄化する効能がある。ホルモンのバランスを調節し、子宮の機能を活発にする。精油成分を豊富に含んでおり抗菌作用ですり傷、切り傷の止血や殺菌に効果がある。気管支炎などによる咳を止めたり、イボの治療にも効果がある。

−お料理に!−
アクが強いので、熱湯に重曹を入れよくゆでて、冷水にさらすとアクが抜け、強烈な香りが薄れるので、食べやすくなる。ゴマと相性がいいので、ゴマ和えやゴマ味噌和えなどにするとおいしい。また、ゆでたものを細かく切り、餅やだんごと混ぜたり、現在はパン生地に混ぜたパンも市販されてます。衣をつけて天ぷらにしてもおいしい。乾燥品も市販されている。

ヨモギの葉の裏に、灰白色の綿毛が密生して、この綿毛を乾燥させて、モグサとしてお灸に利用されている。日本にも邪気、毒気を払う考えは受け継がれており、3月3日の桃の節句の菱餅に草餅が利用され、5月5日の端午の節句には、菖蒲と一緒に、ヨモギを軒下につるす風習がのこっている地方もある。
古くから薬草、漢方としても利用され、草餅、草だんごは店頭でもよくみかけ、とても身近な食材ですね。

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