薬膳の書

* * * 第三十二弾 * * 「ウコン」 * * *

カレーライスの香辛料、あの独特の黄色い色は、ウコン=ターメリックなんですよ。

 ウコンは、ショウガやミョウガと同じショウガ科。種類は非常に多く、ショウガ科の植物は、世界に140種、ウコンの仲間は、50種を超える種類がある。高温多湿の気候で、アジア、アフリカ、中南米の熱帯・亜熱帯に自生している。インド、中国、台湾、インドネシアでは、大規模に栽培されており、日本では、沖縄、種子島、屋久島、石垣島、奄美大島、鹿児島などが主な主産地。草丈は、夏から秋にかけて、1.5mほどにのび、花が咲く。この花は、40日ほど咲きつづけるので、観葉植物としても人気がある。秋から冬にかけて、土の中に、ショウガのような、根茎をつくる。ウコンの繁殖力は旺盛で、小指大の根茎からでも増えていく。暖地では、戸外で越冬するが寒地では、根茎を掘りあげて、屋内で保存し、春に定植する。


−薬効・効能−
ウコンの効果は、科学的にな根拠も得ている。
肝機能を改善し、胆汁の分泌を促進。唾液の分泌を促進し、消化器の負担を軽くする。胃液の分泌を促進し、食欲増進に。強心作用ガンの発生悪性化、増殖を抑える。体内の活性酸素を除去する抗酸化作用脂血症を改善する。殺菌・抗菌作用免疫機能の強化など。

−意外と身近な食材−
ターメリックの和名が「ウコン」。根茎部分は、橙黄色で、カレー粉の黄色は、このターメリックなのです。色素成分だけを抽出して、黄色色素製剤として、食品業界では、広く利用されている、天然の色素でもあります。
カレー粉には、平均20〜40%配合されている。マーガリンやバター、チーズ、リキュールの着色にごく少量用いる事もあり、他にもピクルスやマスタードなどにも用いる。お漬物のたくあんの黄色の着色にも用いられる事があり、意外と身近な食材であり、ごく自然に食べている食材ともいえる。

−利用法あれこれ−
煎じ薬
根茎は、煎じて飲む。茎は、洗って10日間ほど日干しし、刻んで保存し、お茶と同じような感覚で飲む。市販のものを利用するのもよい。
香辛料兼健胃剤に
しょうがを使う料理の代わりにウコンを使ってみる。
冷奴の薬味、サバなど魚と一緒に煮ると、魚臭さを消してくれる。豚肉や鶏肉などにも応用が利く。カレーピラフやパスタ料理にも。
防虫剤として
ウコンには防虫効果もある。ウコン木綿という染物は、虫がつかない、暖かいということで、お茶道具や刀剣を包む時に利用されている。昔は、赤ちゃんの肌着や女性の腰巻としても利用されていた。ウコンを植えた畑には、害虫や小動物がよってこない。台所などのゴキブリ対策として、細かく砕きおいておくと、よってこない。
美容、美肌に
湿疹や擦り傷など皮膚に対する効果は、古くから知られており、ウコンの粉末を化粧水などに混ぜたりすることで、ニキビ・吹き出物・シミ・シワなどに効果が期待できる。これは、ウコンの殺菌・抗菌作用や抗炎作用によるもの。
薬湯に
ウコンの根茎や葉茎を乾燥してから砕き、ガーゼなどに入れ、お風呂に浮かべる。ウコンの精油成分により、独特の成分が皮膚に働きかけ、神経を心地よく刺激し、細胞の代謝が活発になる。神経痛、皮膚病、肩こり、関節炎、腰痛、疲労・過労、リウマチ、アトピー、湿疹、ジンマシン、シミなどの改善効果と肌の保湿・美容効果もなど得られる、保温効果もある。

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