薬膳の書

* * * 第二十六弾 * * 「にんにく」 * * *

ドラキュラは大嫌い!あの独特のにおい。体にはとってもよく効くんですよ。

原産地は、中央アジアと言われているが、特定されていない。歴史も非常に古く、古代エジプト、ギリシャの時代から栽培されていて、ピラミッドを建てた労働者たちの強壮剤として使われていたということが、ピラミッドの壁画からも判明している。また、ツタンカーメンのお墓の中からも乾燥して完全に保存されたニンニクが発見されている。日本には古代中国から伝わったとされており、中国の数々の医学書、薬物書に登場している。日本での歴史も古く、国内最古の歴史書「古事記」(712年)に記述されている。
大蒜(おおびる)と呼ばれていた。    −ユリ科−

 薬効・効用
にんにくの独特のにおいは、アリシンと呼ばれるもの。アリシンは、風邪や気管支炎の原因となる連鎖菌、ブドウ球菌を殺す強い抗菌力がある。ビタミンB1の吸収を高め、エネルギーを産出することにより、疲労が回復され、脳も活性する。アリシンを熱するとできるアホエンは、血液をサラサラにして流れをよくする働きがある。スコルジンという要素も含み新陳代謝を促進し、血行をよくする働きがあるので、冷え性、心臓病、動脈硬化、食欲不振によい。セレンには、抗酸化作用があり、免疫力を高め、ガン予防の食べ物として注目されている。

 種類・品種
肉食を取り入れたことによって、戦後、香辛料として定着したニンニク。日本では、東北の寒地種と関東以西の暖地種があり、寒地種は、青森の福地ホワイト千葉の千葉大球。暖地種には、佐賀大ニンニク熊本・阿蘇産「嘉定種」などがある。
青森の福地ホワイトは、結球が大きく、鱗片も6個と少なく使いやすいので人気が高い。  生産量が最も多いのは、中国。中華料理には欠かせない食材ですよね。
韓国と言えば、キムチ。キムチに欠かせないニンニクの消費量も多い。瑞山(そうさん)のニンニクは有名で、品質も高く、韓国国内ではブランド化している。瑞山ニンニクはピンク系で辛味が少ないのが特徴。 中国、韓国についで、生産量の多いインド。代表料理のカレーにニンニクを入れることは、みなさんもご存知ですよね。 日本でも定着してきたイタリア料理。パスタ、ピザには、欠かせません。イタリア国内で扱われるニンニクは、ミラノから南へ約90キロのところにある小さな町「モンティチェリ産」がほとんどだとか。
ニンニクは、世界各国で生産されています。

気をつけて食べよう! におい対策は万全? 選び方・保存方法
体によいからと言っても、効力が強いので、食べ方にも注意が必要!生なら1日1片。加熱したものでも2〜3片が適量。食べ過ぎると貧血のもとになる。高血圧や子供は半分以下の量が目安。また、空腹時に生で食べると、胃の粘膜を傷つけ、胃痛になってしまう。長期間、生で食べると、腸内の必要な細菌類の繁殖も抑えてしまう。疲労、風邪のひきかけの時の生ニンニク1片は、効果を発揮する。 切ったり、刻んだり、つぶしたりするとにおいが強くなる。丸ごと火を通すと、においはやわらぐ。 におい対策として、牛乳を飲む。たんぱく質がニンニクの臭いの成分とくっつくため効果がある。野菜ジュースも効果があり、特に「青汁」が有効だとか。ガムや茶ガラを噛むのも有効。西洋では、パセリを付け合せに用いる。パセリを「ニンニクのにおいを消す自然の消臭剤」と呼んでいる。 形よく締まり、大きさのわりに重みのあるものが香味もよく良品。芽が出たものや乾燥しすぎたものは避ける。湿度の高い所が苦手。野菜の入っていたネットや紙袋に小さな穴をあけ、風通しのよい場所に置く。皮をむき、ラップに包み冷蔵庫で保存すると長期保存が可能。はちみつ漬け、アルコール漬け、酢漬け、しょうゆ漬け、味噌漬けなどにして保存する方法もある。

−にんにくの芽−
レバニラ炒めでは欠かせない「ニンニクの芽」 ニンニクの花茎を若いうちに切ったもので中国では古くから食べられている。鱗茎(球)の生育をよくするために、切り取られるが、無駄にせず食用にしたのが始まりといわれている。ニンニクのほのかな香りと甘み、シャキッ!とした歯ざわりが特徴。現在は、専用品種もあり、日本でも促成栽培されている。炒め物やゆでてサラダや和え物にむく。
「ニンニクの芽」と呼ばれているが、芽ではなく茎なのです。

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