薬膳の書

* * * 第四弾 * * 「高きび」 * * *

第三弾で紹介した、黍(きび)と名前は似ていますが、全く違う作物です。

特 徴 効 能

草丈150〜300cmのイネ科の植物耐干に強いので、アフリカ、インドなどの重要な穀物となっている。起源地もアフリカである。日本の主産地は、宮崎県、鹿児島県など。
お酒などの醸造用に用いられたり、飼料などにも利用される。色はアズキ色。お米に少し混ぜるだけで、アズキ色よりもう少し明るい桃色のご飯が炊ける。ほろ苦さがもあり、プチプチとした食感もある。

熱気をとる、体を冷やす食べ物
暑い夏の夏バテの時に、クーラーがわりになるほど。体を冷やしてはいけない時には、食べない方がよい。
インド、アフリカでも日常、食べられている穀物です。

戦時中と戦後の大切な食料源−コーリャン飯−

コーリャン飯=和名:高きび
戦時中と戦後の食糧難時代の救世主。白米代用食なのだが、たいていは、「おいしくなかった」という感想の方が多いらしい。戦争の体験イメージと高きびの味は、切っても切れないつながりがあると思う。


こんなバリエーションを。。。
高きびおこわ 高きびだけを先に炊き上げ、一度水洗し、アクとぬめりを落とす。
モチ米、アズキと混ぜ合わせいろで蒸す。
使用する豆を、黒豆、レンズ豆も加えて、豆ご飯としても美味。
団子と大福
応用編
高きび粉に水を加えこねあげ、熱湯で湯がくと団子に。
米粉やモチ粉をくわえて耳たぶの固さに練り、蒸し上げると大福に。
この大福を、塩ゆでしたキャベツで包むと、ロールキャベツ。
油あげにいれて煮込むと。桃色のモチ入きんちゃく。
桜餅 小麦粉、白玉粉、水のタネに高きび粉を加えて、焦げないように
両面を焼きあげ、餡をはさんで、桜葉で包む。
ほんのり桃色になるので、お菓子作りの素材に重宝するのでは。
ローティ 高きび粉を水で練り、うすく伸ばして焼く。
小麦粉と混ぜて、クレープ風にするのも、薄紅色のクレープになる。

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