薬膳の書

* * * 第十一弾 * * 「くるみ」 * * *

胡桃(くるみ)の原産地は、ペルシャとされているが、オニグルミや>ヒメグルミは、縄文時代の遺跡からも発見されているので、古くから自生していたのではないかと言われている。くるみの種類は、非常に多く、数百種にのぼります。その内食用とされているものは、オニグルミ、ヒメグルミ、中国より渡来のテウチグルミ(カシグルミ)ペルシャグルミなど数種です。日本では、北海道から九州まで、オニグルミやヒメグルミが自生している。
完熟した種子の中の果肉を食べる。
クルミ科の落葉高木。


成 分 高脂肪、高たんぱくな食べ物。ビタミンB1、ミネラル類も含む。
くるみに含まれる、脂肪類は、良質な必須脂肪酸類をたくさん含んでいる。
その中のリノール酸は、成長促進、動脈硬化を予防するなどの作用あり。
肥満、コレステロールの多い人に適している。
ビタミンB1は、疲労回復に良い。
薬 用 未熟な果肉や果皮…水虫などの皮膚病
完熟した果肉…滋養強壮、咳を鎮める
注)消化が悪いので、多量に食べるのはさける。
保 存 殻付のまま保存。果肉を出したものは、脂質類が酸化するので、長期間空気にさらさない方がよい。
殻にツヤがあり、ひび割れていないものが良質で新鮮。

−くるみの仲間−
くるみは、堅果(ナッツ)類で、外果皮(殻)が堅く主に種子の一部である、仁(中身)を食用にするグループにはいります。他、堅果(ナッツ)類としてあげられるものは、
松の実、とちの実、銀杏、栗、アーモンド、カシューナッツ、ピスタチオ、ココナッツなど

−くるみの用途−
昔から、いろいろな用途として利用されている。
果肉…生食、菓子原料、料理(未熟な果肉は、ピクルスやケチャップの原料となる)
果肉の油…食用、香料、化粧品、油絵具など。
…くるみの殻がはいったスタッドレスタイヤが話題となっている。
樹皮・葉…草木染の染料。
木材…きのこの原木、家具、建築用木材など。

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