薬膳の書

* * * 第十二弾 * * 「くわ」 * * *

お蚕といえば、桑の木。実はとってもおいしいんですよ!

“くわ”は、蚕(かいこ)の飼料で、まゆを作り、絹糸をつくる。ということは、ご存知ですよね 「古事記」や「日本書紀」にも記事があることから、古くから伝わっている。蚕の餌として栽培されているものと、林などに自生するものがある。蚕の飼料として栽培する場合は、剪定し育てるので、2〜3mの高さですが、自生し野生化したものは、15mにも達します。
6月頃、実が赤色から赤紫色に熟し、この頃の実は甘くておいしいです。ただし、口の周りや、舌が真っ赤に染まってしまいます。(ベリー種で、英語名はマルベリー

実、葉、根皮と使える部分が多いので、利用価値が高い。
自生している“ヤマグワ”と栽培されている“トウグワ”があるが、
同じように用いられる。

根皮
果実はよく熟したものを水洗いし、水を切って、約3倍のホワイトリカーにつけ、約1ヶ月間冷暗所に密封保存すると、果実酒ができる。 春から夏にかけてよく育った葉を採取して干しておき、煎じてお茶として飲む。(桑茶) 冬に根を掘り、水洗いをして外部の皮をはぎ、天日で乾燥させる。生薬で“桑白皮”という。
補血作用があるので、低血圧や不眠症に効果あり。就寝前に杯1杯が適量です。 高血圧、動脈硬化に効き目があり、中風の予防となる。
糖尿病にも用いられる。
消炎、利尿、咳・痰の緩和呼吸困難、血圧降下、血糖降下の作用がある。


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