“わらび”とともに、山菜というと、必ず名があがる。
若芽の先端がクルクル巻いて、丸いお金のように見えることから、「銭巻」が転じて「ぜんまい」と名がついたと言われている。新芽は、白い糸のような綿毛をかぶっていて、若芽とその茎を食用とする。成長すると綿毛がとれ、1mくらいになる。アクが強く、灰汁または重曹を入れた湯で煮て、充分にアクを抜き、3日ほど天日に干す。この時、よく揉むと繊維がほぐれておいしくなる。市販されている茶色のぜんまいはアク抜き後、日に干したもの風味が増すので、保存食品として利用されてきた。おひたし、和え物に。油との相性がよく、油炒めも美味しい。
−ゼンマイ科− |
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雪をかきわけ芽を出す「蕗のトウ」一番に春を告げる山菜。 蕗のトウは、ふきの花蕾(からい)花が開いて柔らかいうちに根ぎわから採取する。ふきは日本原産の野菜で、栽培の歴史も古く愛知の早生(わせ)フキ、京都・奈良のミズブキや東北地方の栽培種アキタブキで大型のフキなどがある。蕗のトウは、昔から薬用とされ咳止め・痰を切る効果がある。そして、独特のほろ苦さは、食欲増進作用がみられ、ふきも咳止め・痰を切る効果がある。他、繊維質なので便秘と美容に効果がある。蕗のトウは、天ぷら、酢みそ和え。ふきは煮物に。
−キク科− |
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たらの幹の先に芽吹く新芽が「たらの芽」幹には、鋭いトゲがあり、別名「トリトマラズ」とも言われているたらの木は、一見、ウルシに似ているが、ウルシにはトゲがないので区別できるタラの木は、木質がやわらかく、すりこぎとして利用されている。また、木の根の皮を刻んで天日で干したものはタラボクと呼ばれ、煎汁は胃病・糖尿病に。樹皮も腎臓の薬として利用。果実や幹枝からは薬用酒も作られる。
たらの芽は、節のはかまをとり、丸ごと天ぷらにするのが一番おいしい。三杯酢や酢味噌和えも。
新芽の採取は、二番芽までとし、残しておかないと木が枯れてしまので採取には、注意が必要!
−ウコギ科− |
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早春に芽をだし、初夏の頃50〜60cmくらいになり、茎の先にネギ坊主をつける。球根(鱗形=りんけい)は、大きいもので2cmほど。
ネギに似ていて、葉は細長く、断面は三日月状で空洞になっている。特有の刺激臭があり、ネギと似た香りがする。花が咲かないうちに根から掘り取って食用にする。球根は、よく洗い、そのまま味噌をつけて生食が美味しい。香り、辛味が結構強い。葉や茎も生のまま薬味・汁の実など、ネギの代用としても利用できる。熱湯でゆがき、酢味噌やマヨネーズ和え、かき揚げ、卵とじなどに。
強壮食品であり、胃腸を丈夫にし、体を温める効果あり。中国では、球根の部分をすりおろし、かゆみ・痛み止めにも用いている。
−ユリ科−
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